家づくりブログ

23/04/24

熊本紀行

  • 所用があり、5年ぶりに熊本市を訪れました。その更に2年前(7年前)には熊本地震があり、震源から離れている市内にもところどころ震災の跡が見られましたが、現在ではその面影もなく復興を果たしているようです。同時に市内の交通の要衝となるバスターミナル付近の再開発が行われ、筆者が過ごしていた頃の景色が一変していました。

    夜間に撮っているので分かりにくいですが、熊本駅周辺も『ナンダコレハ』と、別の町かというくらい激変していました。熊本を離れて以来飛行機で来る事が多くなったため、震災の時に見て以降ずっと来ていませんでしたが、記憶にあるのはローカル路線の駅舎かとおぼしき素朴な外観だったはずですが・・10年位前に九州新幹線が開通し熊本にも停まるため、こんなにも立派な駅舎が完成していたとは、『ひとり浦島太郎』にでもなった心境です。

    翌日は帰りの飛行機までの時間を見て熊本城を訪れました。7年前の地震であちこち石垣が崩れたりと甚大な被害を被っていましたが、どれくらいまで建て直されたのか。

    ■前回の熊本紀行はこちら

    石垣が崩落した部分はまだ大部分がそのままの状態となっており、背後の土が崩れないようにコンクリートで固められた姿が何とも痛々しく映ります。各所には震災前の状況と復旧作業の詳細が分かる案内板が設置されています。

    崩落を防ぐため鉄骨で補強された建物も。

    見学者が危険個所に近づかないようにするためか、場内への通路はあまり似つかわしくないペデストリアンデッキが新設されていました。

    デッキから見られる光景とそれに対する案内板からも、修復作業がまだまだ道半ばという事が分かります。

    天守前に到着しました。震災当時の映像では画面が揺れるとともに瓦から土煙が上がり、一晩明けた後の無残な姿が思い出されますが、城のシンボルという事もあっていち早く復旧が完了しているようです、城内にも入れるようになっています。

    ニュース映像などでは天守が鉄骨足場で覆われた復旧作業を見る事がありましたが、内部では現代の最新技術を用いてがっちりと補強されていました。

    内部は城の歴史や調度品などを展示する資料館になっています。15年くらい前にも入ったことがありますが、その時よりもスケールアップしているのでは?

    最上階からは城下町の景色が展望できます。それにしてもこんなところでYKKAPのサッシにお目にかかるとは。

    これまた最新の技術を使ったプロジェクションマッピングで城郭を含めた城下町の説明が行われます。こうして見ているとここが戦国の城の中という事を忘れそうです。

    『戦国の城』と書きましたが、この熊本城は古くから戦によって傷むというよりは地震や大雨などの天災に被害を受ける事が多かったようです。近年では西南戦争でダメージを受けたと思っていましたがそれ以降に火災で天守が消失していた期間があるという事が展示からわかりました。

    古来から幾度となく天災、人災による損傷を復旧を繰り返してきた熊本城、不屈の精神が今回の復興にも受け継がれています。筆者にできる事と言えば、数年ごとに訪れて瓦募金をしたりお土産を買ったりという事くらいですが、学生時代の思い出の場所でもあり、まだまだ続く復旧作業に携わる方々を応援していきたいと思います。

     

    五高寮歌四番

    『時艱にして義を思い 塵世に節を偲ぶかな ああ新興の気を負いて 浮華のに我立てば 思いは馳する朴訥の 流風薫る銀杏城』(銀杏城は熊本城の別名)