本社/〒509-1431 岐阜県加茂郡白川町黒川2478-6 江南営業所/〒483-8043 愛知県江南市江森町南152
『ぎふの木の住まい協議会』と親交のある『ひょうご木のすまい協議会』の工務店さんのモデルハウスを見学させていただくため、一泊の視察旅行で姫路市へ行ってきました。
最初にお邪魔したのは兵庫県宍粟(しそう)市の㈱山弘さんのモデルハウス、地理はよくわかりませんがモデルは姫路市にあります。
低く抑えられたエレベーションが落ち着いた雰囲気を見せる住宅です。
住宅のディテールに興味のある者にとっては垂涎の造りをしています。細部までつくりこまれた約63坪の建物です。
ディテールとしては無駄なく、必要最小限に高さ方向を低く低く抑えているという印象でした。
自宅にこんな浴室があったらなぁ・・というくらいの豪華さ。
茶室もありました。
少し離れた町にある、もう一箇所の展示場『はりまの杜』も見せていただきました。こちらは数年前に建てられたものとのこと。
㈱山弘さんの一般のお客様用のモデルハウスである訳ですが、見る人が見たらかなりマニアックな造りをしています。(構造、法規、防火、防水、設備、材料、詳細収まりetc…)そこへ岐阜からやってきた各工務店の兵(つわもの)ども、当然会話は仕上げ材により見えない部分の考察まで及びます。「ここの収まりは多分こうしているんではないか・・」だの、「この構造を持たせるためには材料をこう使って・・」だの、この建物の話だけで4~5時間くらい酒が飲めるのではないでしょうか。
『はりまの杜』にはもう一件モデル兼事務所の建物が建っています。
こちらはなんと今をときめく住宅建築家の伊礼智先生が設計されたとのこと。数冊本を買って読んでいるうちに一度はこの目で見てみたいと思っていた方の建築が今、目の前に!・・・この時の感動をどう表現していいのか。
建物内を歩けた時間は短かったのですが、あちこちに『本で見た通りの伊礼先生のディテールだ・・。』という発見と感動の連続。(当然といえば当然ですが)これを見られただけでも今回来た甲斐があったというものです。
この後、事務所の広間で㈱山弘さんの社長よりお話をいただきました。
今後の住宅建築業界の展望、兵庫県の材木(杉)を取り巻く現状、それらに対する会社の取組み等など。ためになるお話でしたが、関西弁で話してもらうと、非常に分かりやすく頭に入ってきやすいのが不思議です。
晩には㈱山弘さんはじめ翌日お世話になる工務店さん、ひょうご木のすまい協議会各社の方との懇親会。
視察、交流が主な目的ですが、本当はこちらの方が主目的だったりして・・・協議会の暴いてはならない機密(まあ、特に改めて言う程でもない機密)を暴いてしまいました。
二日目は宿泊先にほど近い姫路城の見学からスタートしました。姫路市にやってきてこれを逃す手はないでしょう。
『姫路城前』交差点の信号機取替工事。これはこれで貴重なショットでは?
姫路城に使用されている大柱、実は岐阜中津川、付知の材料だと教えられてびっくりです。
天気がいいので青空に姫路城の白い外壁が良く映えます。
播州皿屋敷のお菊さんの井戸。ずっと『番町皿屋敷』という江戸の話と思っていたのですが・・・。
お昼は一気に神戸市まで移動して南京町へやってきました。
今は旧正月『春節祭』の最中との事です。時間が合わず、行事などは見られませんでした。
2日目は神戸市三宮の吉住工務店さんのモデルハウス見学です。前日の㈱山弘さんよりは木材の露出は少し抑え目ですが内装を塗りとしてちょっとメルヘンな建物になっています。
内装全体を真っ白な塗り壁として落ち着いた雰囲気になっています。ところどころにあえて設けられた段差が白一色でぼやけがちな空間を区切る輪郭となる役目を果たしています。
元々は10社分のモデルハウスが建っていた土地で、他の9社が撤退した後も吉住工務店さんのみが残ったとのこと。9社分の残地を公園として整地し、近隣に開放することで、コミュニティを呼び込み、長い目で見た集客につなげていこうという取組みの意図が見て取れます。そりゃあ近所にこんな面白そうな事をしている所があったらちょっと覗いてみようかな、という気になりますよね。
公園内、モデルの隣には小物等の販売所を兼ねたホールが併設されています。こちらのホールも、教室など近隣の住民に開放。
今回の姫路、神戸の工務店さん2社を拝見して、実に参考になりました。各社いろんな事を考えているな、と目からウロコという感想です。
時代が時代だからなのか、新築の着工が年々減少していく中で、いかにお客様にプレゼンするか、アピールするか、こちらを向いてもらうか、自社を知ってもらうとっかかりがなければ、そもそも営業などできないので、その点をまざまざと教えられた感があります。2社に共通していると感じるのは、自社の住宅建築の内容を研ぎ澄ます事はもちろん、建築「以外」の事にいかに注力していくか、ということです。『ウチは良い住宅建ててますよ、どうですかお客さん。』だけではもう営業ができなくなってきているということを痛感しました。地域密着、コラボレーション、何か突破口を見つけなければならない、もちろん建築の質も見つめ直さなければならない、自分自身の腕も磨き続けなければならない。非常に危機感、焦燥感の募った2日間でもありました。
モデルハウスを見せてくださり、貴重なお話を聞かせてくださいました、㈱山弘さん、吉住工務店さん大変ありがとうございました。