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こんにちは。たがわです。
建築中の現場にふらっと訪問し、職人さんに邪魔!と怒られない程度にお話を聞いたり、現在の状況を紹介していくブログです。
今回はミノワが取り組んでいる土壁の紹介です。
高気密・高断熱住宅に、蓄熱性・遮音性・耐久性・調湿性の高い土壁を取り入れることで、より快適な住まいになります。
事務所近くで土壁を採用いただいた現場がありますので、隠れてしまう前にお邪魔して施工を覗いて来ました。
小牧市にある平屋の和風住宅です。外壁は塗り壁の下地まで進んでいます。
ミノワの土壁の家は、室内の間仕切壁、外壁に面する真壁部分に施工します。
貫→小舞→荒壁→中塗り→仕上げへと進んでいきます。今回は『荒壁』塗り作業の日です。
柱間に貫を横に取り付け、それに小舞をとめていきます。
(外壁に面する壁は断熱材を施し、間柱に小舞を固定していきます。)
ミノワの小舞は昔ながらの竹ではなく、大工さんが桧で作ります。
断熱も気密もなかった頃は、竹に虫が湧いても外に出ていくものでしたが、近年は高気密・高断熱の住宅が増えて隙間がなくなったため、チビタケナガシンクイムシやヒラタキクイムシなどの虫も家の中に閉じ込めてしまいます。
数十年前に会長の藤井が大工だった頃携わったリフォームで、土壁を撤去したそうです。
撤去後、下地の竹の下の方は腐り、ほとんどが虫に食われていたことから、竹の小舞は今の住宅にそぐわないと感じ、防虫効果の高い桧を使うことにしたのです。
さて、現場に到着すると、すでに大量の土が運ばれており、監督のk谷君も応援に来ています。
土壁は、粘着性の高い土・大きめの粒の土や砂・藁などが入っており、強度が増す・亀裂防止・曲げ強度の向上などそれぞれの役割があります。
現場にはそれらがバランスよく調合・撹拌された土が運びこまれています。
ポンプで室内に圧送するため、ホッパーに土を入れていきます。k谷君、早くから汗だくです。粘りのある滑りやすい土なので足元にも注意です。
「お疲れ様で~す。」室内に入っていくと、K谷君が頑張っている成果がここに・・。
ポンプによって運びこまれた土は「フネ」といわれる大きな容器にどんどん入っていきます。
↓↓↓ 作業風景の動画はこちらです ↓↓↓
荒壁塗りには「土さし」という道具をつかい、a監督が土を投げて左官屋さんが鏝板でキャッチします。
タイミングや高さを合わせるのが大変そうです。
普段は器用なa監督ですが、たまに「あっ!!ごめんなさいっ!」という声が聞こえてきます。そこはしっかり養生してあるので安心です。
土を渡す人手が足りないようなので、若手大工のh谷川君と私もクワでとせっせとお手伝い。
土が粘っこくて重いので汗だくですが、私も少しは貢献できたのかな~。
作業を覗きに来たk棟梁。お手伝いしている私を見て「mちゃん、だてに腕が太くないな~。」と一言。
そのとおりです!こんな時のために鍛えて・・・・・いるのです。
一緒に来ていた華奢な腕をしたk枝さんにクワは握らせず、写真撮影ををお任せしました。
裏側の小舞から出ている土を「へそ」というそうです。へそはなでつけて平らにしますが、表と裏側の土を一体化させる大事な役割があるそうです。
休憩時にも道具の手入れを怠らないy江左官さん。
昔は6メートルほど上の2階の外壁を塗るときも、土さしで投げ乗せていたそうです。
今とは違い2階の床がなかったり、足場も悪かったそうなので、投げ手も受け手も相当上手でないといけなかったのでしょうね。
左官屋さん3人がかりで塗り、夕方作業を終了しました。
土がしっかり乾くまで時間がかかります。大工さんの木工事が終わる年末ごろまでじわじわ乾かし、乾いた荒壁の上から中塗りをし、仕上げへと進んでいきます。
年末といえば、ミノワは12月下旬に仕事の締めをモデルハウスで行います。
モデルハウスは本社と同じく白川町にあり、軟弱者の私は外は肌が切れる!!と思うほど本当に寒いのですが、土壁を施したモデルハウスの室内は日中晴れて太陽の光が部屋に入ってくると、暖房を入れていなくてもぽかぽかと温かく、人が集まるとさらに室温が上がり、汗が出るほどです。
昼のうちに太陽の熱を多く取り入れて部屋を暖めて、その熱を土壁に吸収させることで、日が陰って室内の温度が下がりかけた時に、土壁の熱が部屋に還元されて温度の下降が緩やかになります。
これを断熱材と組み合わせることで、室内は土壁で蓄熱しながら断熱材で外部からの熱の移動をしっかり遮断する家になるのです。
防音効果も高く、従業員や大工さんが大勢集まる年末でも、外に出てみるとにぎやかなみんなの声がほとんど聞こえなくなりました。
施工を進めてしまえば見えなくなってしまう土壁ですが、日差しが入る角度や風の通りも考えることで、さらに低燃費・低エネルギー消費につながります。