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こんにちは。たがわです。
建築中の現場にふらっと訪問し、職人さんに邪魔!と怒られない程度にお話を聞いたり、現在の状況を紹介していくブログです。
今回はミノワが行っているシロアリ対策についてです。
高気密・高断熱を提唱してやまない弊社ミノワの家が、どのように断熱施工をしながら防蟻対策をしているかご紹介したいと思います。
当ホームページ『建築中ブログ』では、毎回基礎工事の施工画像をアップさせていただいております。
基礎の真ん中にラインがあり、水切りのような形状のものがありますが、それが「アリストッパー」です。
材料はステンレスで作られており、基礎断熱を施工すると同時にあらかじめ入れておく材料と、完成間近に基礎中間部にはめ込む材料があります。
画像の上の、立ち上がっている部分を先に基礎に挟み込んでおき、それに後から下の部分をはめ込むようになっています。
私は作業工程を見たことがありませんでしたので、今回じっくり見学するつもりで各務原市の現場にお邪魔しました。
まず基礎外周の下部断熱材を設置していきます。その上にアリストッパーを接着していきます。
入隅・出隅用の部材もあり、各ストッパーの接合部も専用プレートでつなぎます。
その後、上部の断熱材をのせて接着していくので、シロアリが入ってくる隙間はありません。
5月に入りとても暑い日だったので作業しているTさんも汗だくですが、一つずつ確認しながら丁寧に仕上げていきます。
この後型枠を組み、内側に基礎を施工していきますが、断熱材から飛び出ている10mmほどのアリストッパーを基礎に食い込ませます。
完成間近になると初段階で施工されたストッパーに、返しになっている材料をはめ込んでいきます。
(ここからは最近完了した別現場の画像です。)
基礎外周の断熱材には防蟻用処理が施されているものを使用するため、数年は断熱材によってシロアリを防ぐことになります。
そして経年により断熱材の効果が薄れたとしても、アリストッパーを施すことにより被害を早い段階で食い止め、シロアリを駆除することができます。
安心して何世代も引き継いでいける家を造るために考えた、ミノワ独自の方法です。
上記が施工方法になりますが、弊社 藤井にアリストッパー考案のいきさつをまとめてもらいました。
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北海道から始まった高気密・高断熱工法はその価値を認められ、今や全国で様々な工法が定着しつつあります。
そんな中で北海道から本土に工法が渡り、東北から関東・中部、そして関西に広がって行く過程で問題になって来たのが、シロアリによる食害です。
北海道の冬は寒くてシロアリが冬に生息できない為、食害などは想定外でした。
しかし、高気密・高断熱住宅の中でも「基礎の外周に断熱材を施工する」工法を取っている住宅に、シロアリが外周の断熱材をかじって進入したのです。
無機質系の断熱材はシロアリの食害は無いとの当初の認識が完全に否定されてしまいました。
今や、気候変動による温暖化と断熱材の普及により、暖かい住宅に侵入してしまえばシロアリは北海道でも冬を越すことが出来る様になるでしょう。
現在では防蟻処置を施した断熱材が開発され、簡単に施工できるので高断熱住宅のほとんどに使用されるようになりました。
しかし現在の住宅は「長期優良住宅」や「100年持つ住宅」等、長年に渡りその住宅の性能をうたっていのに、10年保障の防蟻処置を施した断熱材で大丈夫なのか少々疑問が残ります。
そこで弊社は半永久的にシロアリの被害を防ぐ事が出来ないかと考え、ステンレスで出来た『アリストッパ-』という製品を某メ-カ-との商品化し、代理店を通して購入しながら基礎工事施工をしております。
勿論断熱材は防蟻処理をした製品を使用していますが、外周の基礎の外側にある断熱材を上下で分断し、基礎の内部にアリストッパーを10mm程度食い込ませ、シロアリが通れない構造になっています。
断熱材が長年の経年変化で、もし防蟻の効果が薄れシロアリが地中から進入を図っても、ステンレス板に阻まれて一旦外に出ないと住宅に侵入出来ません。
シロアリは紫外線に当ると死滅してしまうので、蟻道というトンネルを作り、紫外線を避けながら移動します。
それは誰にでも容易に目視で発見できるため、早い段階でシロアリ業者に連絡でき、外部のシロアリの巣を駆除してもらう事が出来ます。
いわゆる物理的な防蟻対策工法のため、その分余分に予算が掛かってしまいます。しかし、半永久的にその効果が期待出来るのなら安い投資と考え、施主様の総予算内で納められる様に勤めております。
ミノワ 会長 藤井 和治