家づくりブログ

20/06/07

法規・構造の検討

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    お客様とのお打合せが進む中で間取りを検討し、スケッチからCADでの作図に進む段階で法規制のチェックを行います。どれだけ使い勝手の良い理想的な間取りや外観ができ上ったとしても、建築基準法やその地域の条例、その他関係法令に抵触する図面では絵に描いた餅、机上の空論になってしまいます。

    CAD:computer-aided design 又は computer-assisted drafting 『コンピューターで図面を描く』

     

    同時に構造耐力の検討も行います。その地域の地震動、暴風時の風圧などを加味した計算に基づいて柱、梁、耐力壁の配置を検討します。ここまで検討を進めますと『あの部屋の中に力を受ける壁がもう少し必要になる。』『この部分は十分強いので柱を除いてもう少し広いスペースが取れる。』など間取りの検討に戻って練り直します。この作業を繰り返し行い、できるだけお客様の希望に沿って、なおかつより良いアイデアを提示できれば良いかと思います。

    これらの作業にだんだん慣れてきますと、鉛筆と方眼紙で間取りのラフスケッチをする段階で、ある程度法規・構造にアタリを付けておいてそのままCAD図面作成に入った時、上記の繰り返し作業が少なくなります。生活動線やインテリアの収まりを考えながら同時に柱の立て方、梁の掛け方を考えておくのです。手戻りが無く、一発で条件をクリアした時などは画面の前で一人爽快感に浸ったりもしています。数学者が論理的な証明を得た時に『数学は美しい』と感じるのと同様、想像通りの図面、現場ができ上った時などは『建築構造は美しい』という気持ちになります。

    現在はこれら法規・構造の検討やイメージ図作成は住宅専用のCADソフト一つで連動して行う事ができます。一昔前、ドラフターと鉛筆で図面を描き、電卓片手に計算していた頃から考えると文明の利器の進化は非常にありがたい限りです。まさに『CADで図面を描く、いい時代になったものだ。』(北●の拳のシ●の口調)という心境です。