家づくりブログ

21/08/23

雁木の街並

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    とある町の旧商店街を散策してみました。旧いとは言え商店街なので各店舗前の歩道にはアーケードがある?と思いながら歩いていましたが、実はこれは歩道でもアーケードでもありませんでした。今は夏なのであまりピンときませんでしたが、冬には非常に雪深くなるこの地方、ともすれば人間の背丈よりも積雪の方が高くなる時もあり、この道路面に突き出た深い軒は出入り口前が埋もれてしまうのを防ぐための雪除けだという事です。この地方では『雁木』と呼ばれています。

     

    では雁木の下は歩道なのかと足元に目をやってみると。通路上には各家庭の量水器やバルブがありました。という事はこの部分は車道に付随する歩道ではなく各戸の敷地内という事になります。

     

    そして各家庭、雁木の軒の上から2階の屋根に上る事ができる梯子が取り付けられています。雪かきをするのに上るための梯子なのでしょう。

    普段は積雪があってもすぐに溶けてしまうような地元に住んでおり、豪雪地方の状況はニュースでしか目にする事はありませんが、初めて見るこの雁木の町並みに地方特有の風土、風習、生活の知恵を見たような気がします。こうして集まって住んでいる人々がお互いに街並みを揃える事でこの地の天候に対応している景観は、観光地化された旧い街並みとはまた違った風情があります。