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所用により滋賀県湖南市を訪れ、帰り道にちょっと寄り道をして近江八幡市を訪ねました。滞在時間はわずかでしたが町の中心部を回って各観光名所を堪能しました。
近江八幡と言えばやはりヴォーリズの建築群。約130年前に建てられた住宅群、公共施設を巡り、ノスタルジックな雰囲気を味わう事ができます。そういえば大学時代の研究室の同級生が九州のヴォーリズ建築の研究をしていた事を思い出しました。
東海地方でいえば高山とか大正村や妻籠宿馬籠宿といった伝統的建造物の保存に努めている地区。こういった地区は観光都市としてのにぎやかな一面と、古建築の保存修繕、新しい街並みの整備との兼ね合いと言った深い問題を抱えているのか、と改めて思いました。
できる事なら伝統建築群は後世まで残していって欲しい物ですが、それも実際にその都市に住んでおらず、切実な問題に直面していない者の偏った意見かなとも感じます。
京都市に在住していた十数年前、市街地の歴史ある町屋が解体されていき、新しく分譲住宅が建っていくのを見るにつれ同様なジレンマを感じた事を覚えています。景観を守るべく、その市に一定の条例が施行されてはいるものの、市井の人達は知恵と工夫で住みこなす事が必要な伝統的な町屋よりは和風でも洋風でも和洋折衷でもない既製品で固められた住宅(筆者は個人的に『最近の日本風』と定義づけていました)の方が維持費も掛からない上、生活も楽になるため、そちらを好んでいたように感じました。