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3月5日に新住協の勉強会に参加しました。講師の会沢健二先生による研修会は、能登半島地震を受けて、先生自身が東日本大震災で被災された時の経験を交えながら、耐震化と本当の高断熱の重要性をお話されました。
先生は、地震が起こる3年前の2008年に築26年経った住宅を断熱耐震同時改修をされたそうです。断熱改修は、やはり専門家、超省エネな住宅にしようと計画されたそうです。目標は、ミノワでもおなじみの新住協温熱環境計算プログラムQPEXにも記される自然温度差を10度にする事。自然温度差とは、日射熱と室内で発生する熱(台所や家電、人から発生する熱)の内部取得熱をQ値(換気も含めた熱損失係数:住宅全体の室温を1度上げるために必要なエネルギー)で割った数値の事で、これは新住協独自の呼び名で自然に得られる熱と覚えると良いそうです。
自然温度差は、外気温よりいつもその温度だけ高いという理屈になり、自然温度差が10℃の先生の家は、外気温が5~6℃あれば、室温は15~16℃になります。実際に、災害に合われた際に、暖房無しでも乗り切れた理由がそこにあるそうです。
そして、国が定めている省エネ基準がさほど高い性能ではないので、断熱性能は住宅間に差があり(ピンからキリまであり)、ご近所の高断熱をうたった住宅の方は、災害時に寒いと言って暖を取るのに苦労されていたので、ユーザー自身の高断熱住宅に関する勉強は不可欠ともおっしゃっていました。
では、何を基準に高断熱住宅と判断したらよいのでしょうか?UA値(外皮熱貫流率)も間違いではないですが、その数値だけではどれだけ暖房エネルギーを減らす事ができるかは解りません。室内温度-外気温-自然温度差=暖房エネルギーと言う関係が成り立つので、やはり自然温度差が大切という事です。自然温度差を高くするには、日射熱など取得するエネルギーを多くして、住宅から外部に逃げる熱を少なくする。それに尽きるようです。
また、これから超高齢社会になり長く入院する事や施設に入ることが困難な時代に突入する事を考えると、高齢になっても安心して暮らせる家づくりも欠かせないとおっしゃっていました。確かに💦なんだか、暗~い話ではありますが、目をそらせない問題だなぁと思いました。
新住協メンバーの皆さんと共に、ミノワも『災害に強く、災害後も変わらず人に優しい家づくり』を目指していけたらいいなぁと思います。