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完成写真集

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『鳴海町の館』

  • 豊かな緑に囲まれて屹立するシルエット 周囲の環境に溶け込む色彩で落ち着いた雰囲気を醸す二世帯住宅:名古屋市ty様邸

    名古屋市『緑区』、その名の通り市内でも特に緑豊かな土地柄であり、市の条例でも敷地の緑化を積極的に推進されるという地域です。その住宅街の一角の少し小高い広大な敷地に親子二世帯住宅を計画されました。

    玄関も各々に構え、完全に分離した二世帯住宅となりますので建築基準法上は『長屋』という名称の建築物となります。

    y様とは内装外装、部品や収まり、色柄に至るまで熟考に熟考を重ねてお打合せを続け、細部までこだわりぬいた住宅となりました。

    インテリアは西世帯で和風、東世帯で洋風と東西で趣が違い、2軒の現場を同時進行しているような感覚でした。

    MHA.Case17


    [延床面積]228.28㎡(約69.05坪)/[工法]木造軸組工法

    [断熱]基礎内:押出法ポリスチレンフォーム 基礎外:ビーズ法ポリスチレンフォーム 外壁内:高性能グラスウール 外壁外:高性能グラスウール 屋根:高性能グラスウール

    [換気]第1種機械換気(熱交換換気扇)

    [屋根・外壁]屋根:平板瓦葺き 外壁:モルタル下地弾性リシン吹付塗装

    [開口部]樹脂サッシ

    [内装]床:メープル材、パイン材 内壁:エコクロス貼、杉材 天井:エコクロス貼、パイン材

    [UA値]西:0.28 東:0.35[ηA値]西:1.1 東:1.4[C値]0.2

    長期優良住宅(集合住宅) [耐震等級]3/[耐風等級]2

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    建築後記

    建築基準法の他に高度地区、風致地区、緑化地域、宅地造成等規制法、都市計画法、『長屋』形式とする事による長期優良住宅の構造高さ規定など、この建物を建築するにあたり考慮すべき法制度法規制が山積していました。また、y様のご希望や工期などももちろん満たすべき条件です。建築確認申請時点では『はたしてこの現場は進んでいくのか?』と不安が満載でしたが、y様がお仕事の合間を縫って、平日でもお打合せをかなり密に応じていただけたのが私としては一番ありがたかった点でした。工事が終わってみれば、我ながらよくこれだけの要因を一つの現場に形としてまとめられたと今更ながらに膝が震えます。建築士としてy様に感謝すべきは、これだけのテーマに取り組む機会を与えてもらったという事に尽きます。

    敷地緑化するための植栽の工事は、y様のご知人の造園業の社長s様に依頼されました。建築の事はさておき、外構に関してはほぼ素人同然の私に『なるようになる、やれるようにやる』と力強くフォローしていただき、植栽の知識や外構工事の工夫などもいろいろと教えてくださいました。工期も迫り、頭の中には焦燥感しかなかった私にとってはまさに地獄に仏の心境でした。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

    工期も中盤から終盤に差し掛かった2020年12月末、y様と共に石川県にある陶芸のギャラリーを訪ねました。y様にとって思い入れのある地でつくられる九谷焼の陶板を住宅の内装として取り入れたい、また、陶板の絵付けはこれもy様に縁のあるモチーフで絵師に製作依頼したい、との事で現地まで同行しお打ち合わせに参加しました。ギャラリーのk様、絵師のi様には細かに対応してくださり、製作期間を経て圧巻の絵柄の陶板を作成していただきました。大変ありがとうございました。 お客様のつくりたい物を探し求めて遠方であっても一緒に東奔西走する。設計に携わる者として一度やってみたかった事でした。