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完成写真集

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『ミライ』

  • 大胆に計画した屋内の意匠、木構造 繊細に計画した室内の空気、温熱環境

    楽しく快適にこれからミライの華世界を生きる:春日井市ts様邸

    春日井市の中心部から少しだけ離れた住宅街。近隣には保育園や幼稚園、公民館などの公共施設も近接し、日中は比較的賑わいのある環境です。その住宅街の一角に奥様のお祖母様がお住まいであった鉄骨平屋建ての住宅が建っていました。受け継いだその平屋建てを解体し、新しい生活のために新築を計画。新たな住宅も居並ぶ街並みに対し控え目に映る平屋建ての住宅とされました。

    外見は控えめながらもその内部空間は各所にこだわりを持ち、広く、明るく見せる工夫を随所に凝らしたものとなっています。リビングには勾配天井でロフトの窓とつながる空間を演出し、意匠と構造を両立させた丸太柱を主とする軸組をダイナミックにあらわして『木の家』を印象付けています。

    決して住人や来客の目に触れる場所ではありませんが、床下エアコンと床下熱交換器の換気経路を組み合わせた室内の空調方法をs様ご自身が提案し、そこに現場施工で考えられる改良点を付け加えました。お引渡しは初夏になりましたが、エアコン一台でひんやりと涼しげに快適な生活をされています。今から冬の室内環境がどうなっているか楽しみです。

    MHA.Case20


    [延床面積]115.90㎡(約35.06坪)/[工法]木造軸組工法

    [断熱]基礎内:押出法ポリスチレンフォーム50㎜ 基礎外:ビーズ法ポリスチレンフォーム75㎜ 外壁内:高性能グラスウール120㎜ 外壁外:高性能グラスウール55㎜ 屋根:高性能グラスウール240㎜

    [換気]第1種機械換気(熱交換換気扇)

    [屋根・外壁]屋根:平板瓦葺き 外壁:ガルバリウム鋼板角波張り 杉板押縁張り塗装

    [開口部]アルミ樹脂複合サッシ

    [内装]床:メープル材、桧材 内壁:エコクロス貼、天井:エコクロス貼、杉材

    [UA値]0.28 [ηA値]0.7 [C値]0.4

    長期優良住宅 [耐震等級]3/[耐風等級]2

    『ただいま建築中』ブログ

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    建築後記

    統計的に見れば当然なのかもしれませんが、こういった住宅建築の仕事をしていると、子育て世代のご家族との関わり合いが多く、小学校低学年までのお子様がいるケースが圧倒的に多く感じます。現場での打合せの都度、同席したお子様が怪我をしないかハラハラしながらも道具や材料を興味津々で見ていたりしている光景が我々の側から見ても楽しいもので、そんな光景も時々当ブログで掲載させてもらっています。現場打合せはだいたい休日などの職人がいない時に行いますが、昨日は強面の職人が肩で風を切っていた現場に今日は小さい子がちょこんと座っているなと思うと、そのギャップに何か不思議な感覚がします。

    今回、sakiちゃんも時々現場でのお打ち合わせに同席。s様によれば打合せの時は決まって上機嫌でニコニコしているそうです。まだ0歳ながら建築現場のこれから形になっていく『何か』を感じ取っているのでしょうか。

    sakiちゃんとは『同い年』のこの住宅でこれからどんな暮らしをしていくのか、どのように関わっていくのか、楽しんでくれるかなー、そんな事を考えると、数十年前にお祖母様の住宅を設計した先達の建築士も似たような事を考えていたのかな、という気持ちになります。その住宅は今回の建て替え計画によって約1年前に無事その役目を終えて解体され、それを受け継いで『未来』の先の世代のために新しい住宅を精魂込めて建築させていただきました。

    後に奥様から聞いた話ですがsakiちゃんの誕生日と建築確認済証が発行されたのが同じ日であったと、何か縁を感じずにはいれません。

     

    『未来』の話が出てきましたので蛇足ながら

    慣例として住宅の上棟の際、棟札を奉り、その裏面には上棟の年月、お住まいになるご家族の名前と大工棟梁の名前を記して完成時に小屋裏空間に安置します。

    ずっと先の『未来』にここへやってくるであろうミノワの担当者や職人は棟札を見て築年数や棟梁の名前を知る事ができます。

    実は筆者もこっそりと自分の名前を住宅のどこかに残してきています。過去これまで携わった全ての住宅にも同様にひっそりと残してあります。『未来』にやってくるであろう人達は果たしてこの名前を見つけてくれるでしょうか。どこを探したらあるのかな?

    そんな『未来』に思いを馳せるのも少しだけロマンがあると思いませんか?